米国政府代表は元上院議員で大統領候補にもなったジェームズ・エドワード弁護士だという。女性スキャンダルで政界から遠ざかっていたが、自らの専門である医療過誤裁判の手腕を買われて、二期目のバイデン大統領から特使として声がかかった。
BBCはそうした経歴と最近のエドワード氏の様子を伝えている。72歳だがトレードマークである毛量の多い髪はフサフサとしている。
国際司法裁判所(ICJ)といえば、捕鯨問題をめぐってオーストラリアが日本を提訴した事件があった。日本が南極海で行っていた調査捕鯨は国際捕鯨取締条約に違反するとして、オーストラリアが中止を求めた。結果は日本が敗訴し、南極海の調査捕鯨から撤退。最終的に日本は国際捕鯨委員会から離脱し、沿岸の商業捕鯨を開始した。
このICJ裁判で日本政府代表を務めた鶴岡公二氏は、当時の安倍首相から厳しく叱責されたと報じられたが、その後は駐英大使を務めてリタイアした。コロナ禍でガラガラに空いた列車に乗って家族で旅行やグルメを楽しみ、人生を謳歌している様子をツイッターにアップしていた。かつてネコは鶴岡氏と仕事で顔を合わせることが時々あったが、当時とはうって変わってリラックスした表情の写真だった。
日本大使公邸はケンジントン宮殿からほど近いKensington Palace Gardensという通りにある。フランスやロシアなど他国の大使公邸もある屋敷街で、ロンドンの一等地の中でも閑静でひときわ素敵なオーラが漂っている。こんなところに住むことができたら、どう考えても人生が楽しくないはずがない。ネコのアパートから歩いて20分程度で、ハイドパーク経由で散歩するコースはお気に入りだった。
夕方6時を過ぎて、ようやく少し空腹になってきた。久しぶりの長旅で疲れるかもしれないと思い、アパートに着いたらすぐに食べられるよう、成田空港のセブンイレブンで買い込んできたカップ麺やみそ汁もある。しかし、ひそかにファンだったエドワード氏の様子を見ると、にわかに元気が出てきた。
アパートから毎日のように通っていたスーパーSainsburyはまだあるだろうか。イギリス料理はおいしくないと言われてきたが、それはロンドンに長年行っていないと言うことと等しい。Kings RoadにあるMarks & Spencerまで歩くエネルギーはないが、すぐ近くのSainsburyで売っているスモークサーモンを使ったサラダやサンドイッチはなかなかいける。
黒々としたペンキで塗られたドアの鍵を閉め、赤い絨毯の廊下を歩いてエレベーターのボタンを押してしばらく待つ。Ground floorで降りてロビーを通過すると自動ドアが開く。右に歩いて行くと、まもなくSainsburyのオレンジ色の看板が目に飛び込んでくる。ああ、まだあったのだ。
店に入ると右手の棚にサラダやサンドイッチがある。スコットランド産のスモークサーモンを使った総菜、さらにはTPPで無関税になった日本のおにぎりもある。食料品の鮮度を保つ技術は日進月歩で、日本のコンビニで売っているおにぎりがそのままの味で地球の裏側にも届くようになった。
サラダとおにぎり、はちみつをまぶしたピーナツ、オレンジジュース、ヨーグルト、りんごを買い物カゴに入れてレジに並ぶ。自動レジもあるが、日本のクレジットカードを久しぶりに使えるかどうか、有人レジで確かめたい。
"Next, please"と呼ばれてカウンターに行く。"How are you doing?"と話しかけられ、どこかで聞き覚えのある声だと気づく。金髪の若い女性がバーコードを次々とかざしていく。彼女に見覚えはないのだが、どこで聞いた声だろうか。いくら考えても、すぐには思い出せない。
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