たしかに科学技術には国境はない。ある国で研究開発が行われたとしても、いくつかの国との協力であることが、ほとんど全てと言っていいだろう。スペースシャトル、海底探査、医学など。
新型コロナウイルスに関しても、世界各国が症例や薬剤、ワクチンといった情報を共有して対策に役立てている。コロナが人工ウイルスだとしたら、その開発段階でなんらかの国際協力が行われたとしても不思議ではない。むしろ、中国が単独で行ったと考えるほうが不自然かもしれない。
「そうだね。。それは無理かもしれないね」とネコはカプチーノの泡を吸いながら言う。
ではどこの国が協力したのだろうか。つまり、どの国がアメリカやイギリスを嫌っているのか。
米国シンクタンクPew Research Centerの世論調査が興味深い。「アメリカが嫌い」と答えた人の割合が最も高いトップ5カ国は、2018年の調査でドイツとロシアが同率(66%)で1位、3位オランダ(62%)、4位メキシコ(61%)、5位フランス(60%)となっている。トップ10には、このほかギリシャ(59%)、スペイン(54%)、スウェーデン(50%)と欧州諸国が合計6カ国を占めている。調査した年によって違いはあるものの、おおむねヨーロッパがトップ10の約半数となっている。米国に最も近い同盟国のイギリスでも、4割程度の人が「アメリカが嫌い」と答えている。
ヨーロッパはアメリカが嫌いなのだ。
そこでネコはふと思い出した。元CIA職員のエドワード・スノーデンの内部告発によって、米当局は世界中の要人や市民の電話やパソコンにアクセスし、膨大な量の個人情報を違法に集めていることがわかった。ドイツのメルケル首相も携帯電話を盗聴され、怒りをあらわにしたと報じられた。
そのスノーデン氏はもともと中南米への亡命を希望していたが、香港発エクアドル行きの飛行機に乗る直前に米国パスポートを無効にされ、モスクワに逃げた。ロシアに亡命後、現在はロシアの永住権を与えられモスクワのアパートに住んでいる。
「ロシアに住むことになったのは偶然に過ぎない」と、彼は米国大手メディアMSNBCのインタビューで語っている。中南米がダメだったので、ロシア滞在中にドイツ、フランス、ノルウェーなど欧州への亡命も試みた。その手続きも進んでいたが、最終的に当時の国務長官ジョン・ケリーか副大統領ジョー・バイデンのうちの一人から、これらの国々の外務省に脅しの電話がかかってきた。
「あなたの国の法律によってスノーデンを亡命させるのは自由だが、もしそうした事態になれば、いくつかの結果を招くでしょう。どんな結果なのかはお話しできませんが、とにかく反応はあります」
米国はなにかと言えばロシアを敵視しているが、元CIAの内部告発者がロシアに住み続けることよりも、欧州の主要国に住むことのほうが米国にとって都合が悪い、ということなのか。
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