Friday, February 5, 2021

第一章 ロンドン(10)

 もう20年近く前になるだろうか。ネコはエジプトへ旅行に行った際に1日100ドルでタクシーを手配し、カイロの観光名所を一通り回ってもらった。

 エジプト博物館にミイラ室がある。博物館の入場料に加えて、ミイラ室の入場料が10ドルだった。少し考えたが、またカイロまで来るとなると大変なので入ってみた。

 4000年も前に亡くなった人の表情、思いが伝わってきて驚いた。これほどよい状態で死体を保存できるものなのか。それを言えば、モスクワの赤の広場にレーニン廟がある。まるで蝋人形のように完璧な状態で暗い部屋の中央に、永遠の眠りに落ちたレーニンが横たわっている。 

 こうした事例をみると、イギリスが海外の芸術品を持ち帰ったからこそ保存できたという主張はたしかに詭弁に聞こえる。 

「歴史をひも解けば、誰でもおかしいとわかる。だが長い物には巻かれろで、権力者の言うことに盲従してしまう。そうでなければ痛い目に遭う」

 聴衆の中に苦笑がこぼれる。

「しかし納得できない感情は残り、こうした無理はそう長く続くものではない。地球温暖化と似ている。温室効果ガスを排出しつづけたことで地球全体が温暖化し、各地に酷暑や風水害、サンゴの白化などをもたらした。

 人類はようやくゼロエミションに向けて本格始動したが、アニマルウエルフェアについては取り組みが足りない。そこで地球温暖化と同じように警鐘を鳴らす使命を帯びて、私が登場した」

 コロナの論理は合っているようでもあり、やや危険にも思える。コロナ禍に倒れた多くの人は基礎疾患を持つ患者、高齢者、医療従事者である。

 ドイツ政府がこのプロジェクトに出資した意図は何なのだろうか。

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